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秋の就職説明会レポート
2018年10月30日
父母会副会長 亀﨑 宏
経済学部父母会創設65周年記念行事の一環として、10月20日(良心館)、21日(明徳館)の2日間にわたり、秋の就職説明会が開催されました。
初日は、まずリクナビ副編集長の松田和也氏の講演でスタート。大きなテーマとしては、就活におけるインターンシップの位置付けと就活中の子供との関わり方のふたつです。
一つめのインターンシップについては、企業は参加した学生を必ずしも採用するわけではなく、エントリーシートの中身が横並びで差別化しにくい現状にある中、勉強や研究、部活、留学、アルバイト、ボランティア活動などと並び学生の個性を知り得るひとつの機会と捉えている。詰まる所、企業は応募してくる学生に対して何らかの形で社会人基礎力(アクション、シンキング、チームワーク)を試したいのだと思われる。
二つめの就活中の子供と親の関わり方については、保護者世代と就活生世代を取り巻く環境の変化を、親がはっきりと認識することができるかがポイント。親世代の経験則や価値観が既に過去のものとなりつつある今、それらを子供に押し付けるのはただストレスを与えるだけにすぎない。資金的な援助は当然必要であるが、子供を信じ、聞き役、見守り役に徹することが肝要であり、子供自身が納得度の高い会社を選ぶ手伝いをする、これに尽きるのではないだろうか。
続いて、(株)Roughの広瀬しのぶ氏。学生時代は、ミスきもの、民放テレビのレポーター、ミス宝くじなど、まさにバイト界のシンデレラである。ANAにCAとして就職したところ学生時代より年収が下がったとか、起業後は同志社ブランドのおかげで、営業しなくても顧客を紹介してもらえるなど順風満帆の体験談が前半。後半は「学生時代に身につけたい温かみのあるマナーと会話力」というテーマでそのノウハウをお話しいただきました。普通の学生では望むことさえ難しい様々な経験を踏まえ修得されたマナーや会話力、相手に好印象を与えるスキルなどはきっと素晴らしいはずです。しかしながら、聴き手の大多数が普通の学生を持つ保護者によって占められている会場においては、どこまで理解や共感を得られたかは定かではありません。
最後に、ヤンマー(株)で人事採用担当の平井俊介氏と三菱電機(株)入社2年目の坂純也氏おふたりに登壇いただきました。平井氏からはメーカーへの就職に特化したお話。一般的には理系出身者の会社と見られがちだが、文系出身者も3割程度を占める。採用の基準としては、企業理念への共感、バイタリティ、チームワーク、パッションを重視。メーカー就職を希望する場合の留意点は次の3点。社風は一つではない、あなたを採用する企業側のメリットは何?綺麗なオフィスだけが職場ではないので、キャリアアップのためには我慢も必要。
坂氏からは就活の体験談を中心としたお話。特に印象的だったのが、自分史に基づく自己分析の徹底により自分なりの選社軸形成をすることができたこと。それにより絞り込まれた業界や企業をより深く研究することができたおかげで、選考の突破率が高まり、ひいては入社後の満足感に繋がっているとのこと。就活のゴールは内定ではない。そこからが本当のスタートだと考えて欲しい。
さて、2日目。構成作家、番組ディレクター、CMディレクターなど様々な肩書をお持ちのファシリテーター秋山理二郎氏が全編を仕切る形で説明会が進行。
まずは構成作家として、バラエティー番組の制作秘話を語っていただきました。芸人さんやタレントさんが出演する番組は、2時間の収録分を1時間に編集する悩ましさに加え、カメラ、音声、照明、美術など数多くの裏方さんをプロデューサーやディレクターがどうまとめ上げていくかで番組の良し悪しが決まるとか。世の中の数々のヒットしている番組では、一つのテーマを掘り下げていくことで、より一層視聴者の関心を引くように心がけているそうです。この考え方は就活にも応用できるようで、広く浅く自分をアピールするよりも、学生生活で頑張ってきた一つのことを熱く語るほうが、採用担当者の心にきっと響くはずとのご意見を頂戴しました。
続いて、秋山氏にMCを務めていただき、横井教授のゼミ生4名と関西学院大学、立命館大学の学生各1名を加えて就活の体験談を語ってもらうコーナーが登場。たくさんの保護者を前にして多少緊張もあったとは思いますが、秋山氏のマシンガントークに緊張も解れたのか、ある程度就活生の本音が聞けたような気がします。
最後は、秋山氏が自ら立ち上げた就活塾(トップランナー塾)から巣立った600名のOB・OGのデータから、「なぜ自分で決める子は活躍するのか」というテーマで講演をいただきました。時代の変化するスピードは大変速くなっており、過去の常識は一切通用しなくなってきている。人類はこの100年間、「自動化」「機械化」を推し進め、できるだけ人が楽になる道を模索してきたのだが、結果的には雇用の機会を大きく減らし、職種や業種によっては消えゆくものも少なくないと予想されている。このような状況下で就職して活躍している元塾生に共通しているのが、豊かな発想力、高いコミュニケーション能力、人柄の良さで、就活において企業の採用担当者が見ているところとも合致するものです。
更なるAIの進歩、技術革新により、今後ますます予測不能の未来がやって来ますが、「聞く、話す、書く」ことに優れた能力のある人は簡単には駆逐されないだろうし、これらの能力は生きた経験からしか伸ばすことはできません。人生においては、良いことも悪いことも色々起こってきます。しかし自分で決めた道であれば納得感も高いので、プラスの経験もマイナスの経験も絶対値となって加算され、自分の糧になり大きな成長が期待できます。どうか保護者の皆様には、「子供さんに自分で選ばせる」それが最高の愛情だとご理解ください。
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