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教育講演会レポート
2026年3月9日
余寒を感じさせる細雨の降る中、2026年2月28日、同志社大学今出川校地ハーディーホールにて、2025年度教育講演会が開催されました。「歴史を歩き文学を読む京都」をテーマに、お二人の先生がご登壇くださり、京都という街をあらためて見つめ直す、あたたかなひとときとなりました。
はじめに、同志社大学政策学部教授・井口貢先生より、「京都・固有名詞のない詩の人文知と空想の羽ばたく街 ― 西田幾太郎、そして永六輔と高石ともや ―」をテーマにご講演いただきました。京都にまつわる歌謡曲を題材に、固有名詞と無固有名詞の対比を手がかりに詩の行間を読み解き、空想を羽ばたかせる豊かさについて、ユーモアを交えて語られました。
また、日本語を大切にする姿勢とともに、「史心・詩心・誌心」を忘れないことの重要性が示されました。歴史に学ぶ心、行間を感じ取る心、記し伝える心、こうした人文知の積み重ねこそが京都の奥行きを形づくってきたのだというお話に、深い感銘を受けました。模倣ではなく、敬意に基づく独自の価値創造へ向かうべきだということも、強く心に残りました。
続いて、同志社女子大学現代社会学部教授・天野太郎先生より、「近世歴史的資料を活用した観光活性化の可能性 ― オーバーツーリズム対策として ―」についてご講演いただきました。江戸期の名所案内が文字中心から絵図主体へと移り変わる過程をたどりながら、先生のテレビ番組でも熱く語られた京都の『都名所図会』が紹介されました。
当時の暮らしや地理を今に伝える美しく繊細な絵図に、貴重な資料に触れる喜びを感じました。名所の概念が文学的世界から視覚的に共有される観光地へと広がっていった歴史を踏まえつつ、現代京都の課題にも言及され、量から質への転換や、時間的分散に加えて、空間の分散による新たな回遊ルートの提案など、未来への示唆に富む内容でした。
終始あたたかく明るい雰囲気のもとで進められた講演会は、京都の魅力を歴史と文学の両面からやさしくひもとく、実り多い時間となりました。
最後に、本講演会の開催にあたりご尽力くださいました皆様に、心より感謝申し上げます。
経済学部父母会 森田 千穂
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