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春の就職説明会レポート

2016年5月19日

 

 5月7日(土)午後1時より、303名のご父母の皆様が参加され、春の就職説明会が開催されました。盛りだくさんの内容であり、最近の就活に対して認識不足の私にとって、どの言葉も重要であり、長くなりましたが、ご父母の皆様に、情報を共有していただきたいと思っております。

 

最初に新関三希代学部長からのご挨拶で、どんなに真面目で優秀な学生でも、就職活動になると必ず一度はつまずくことがある。親が客観的情報を耳に入れておくことでアドバイスでき、子供が気持ちの切り替えをして、明るい表情で再び就活に臨むことができるように励ますことができる。就活は社会人として働くという意識で差が出る。交通費などお金がかかるので、援助をお願いしたいと、簡潔にインパクトのあるご挨拶をいただきました。

 

 

第1部

◎「就職環境と企業の新卒採用について」

~企業は学生に、何を求めているのか?~

株式会社リクルートキャリア・シニアプロフェッショナル 大黒 光一様

 

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 就職環境としては5年連続で求人倍率は上り1.74倍となっているが、リーマンショック前後の数値にはまだ戻っていない。現状として4月1日時点で、既にみなし就職内定率は37.5%も出ており、経団連加盟の大手企業の6月1日からの選考と考えていると出遅れてしまう。就活は入学時から考える活動として始まり、採用活動解禁時からは実際の動く活動となる。就活が始まると学生は本当に忙しい。すべてが解禁時までの準備で差がつく。早い段階で将来について会話をする機会を持つ。
 学生と企業がお互いに求めるものを確認する活動が就職活動である。企業は採用人数に達しなくても採用レベルは下げない傾向がある。学生は即戦力が重要だと思っているが、企業側は中期的にみて新卒採用を行っている。企業は能力だけを見ているのではない。自分らしさ、軸を持って企業との共感接点を探す。
リクナビのホームページを検索すると同志社大学経済学部卒のOB,OGが52人出ているので、参考になる。どちらかというと性格的な面が多い。業種によって必要とされる人材が違う。
 大学での勉強は知っていることを増やすこと、できることを増やしていくことで選択肢が増え、大事なポイントとなるが、授業で学習していることが実社会に必要とされていることを学生に意識させないといけない。企業が選考にあたって特に重視した点はコミュニケーション能力、主体性、チャレンジ精神、協調性、誠実性である。企業が考える「優秀な人材」の定義は百人百様で、「何」をやったかではなく、「どのようにしてやった」結果「何が身についた」かが重要。

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 一般常識の勉強や社会人基礎力を磨くことは一夜漬けではできない。20年前後で身についた癖はなかなか治らない。言葉遣い、口癖、振る舞い、女性は化粧について気を付けてあげ、綺麗かつ丁寧な字が書けるように練習することや新聞や本、文章を早く読むこと、いろんな年齢層とコミュニケーションをとることが大切。身だしなみ、雰囲気、髪型など、第一印象は大切で、3分で決まり覆らない。人生を左右する。
 単位が足りなくて卒業できない学生が増えているので、4年生は取得単位数に注意する事が重要である。また、本人が気づいていない、身についている能力や知識などを、客観的に教えてあげることが面接アピールにつながる。

 

 具体的に就活に必要なポイントを多方面から教えていただき、とても参考になりました。何度でも、家族も共にお聞きしたいです。

 

◎同志社大学経済学部卒業生の就職動向について 
教務主任 経済学部  宮本大教授

 

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 父母世代とは就職の内容が違っている。インターネット就職活動が主流となり、情報の洪水の中で泳ぎながらセレクションする。大きく環境が変わっている。
 求人倍率は理論的には1社以上で皆就職できるが、マッチングの問題があるので必ずしもそうならない。大手企業ほど厳選採用を行っており、求人倍率は1を超えたことはない。中堅の会社と両方を視野に入れて就活を行う必要性がある
 経済学部の就職率は2015年度で96.8パーセント。厳正採用に対応できていない学生がいるのではないかと分析。男子は金融、マスコミ情報など、女子は金融が多く、学んだことを活かせるところに就職している。大手企業への就職は全国平均を上回り、文科系の企業の採用は増加傾向にある。
 7割の企業は面接を開始し、4月に面接のピークを迎えている。就職協定を守っている企業は少ない。次年度の就職スケジュールは未定であるが、いずれにしても今年度より前倒しで就活を行うことになると思われる。
 4年生で単位をたくさん残していることは好ましくない。もし履修していたら、春学期は就活に専念し、秋学期に回す履修中止制度がある。
 経済学部の課外活動の取り組みとして、学生プロジェクトやe-staff、海外インターンシップ、検定試験受験料補助など他の学部ではやっていない独自のプロジェクトがある。

 

数字で見ると分かりやすいと思いました。また、詳細は大学ホームページを参考にしてください。

 

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※第一部の最後に岸ゼミの学生の方から里山の研究報告がありました。物販活動として、京都市内の朝市に出品していて、お酒やよもぎ団子などで、ネーミングもユニークな商品でした。1年生の学生のプロジェクトでは、京野菜の入った洋菓子開発の報告がありました。九条ネギのクッキーやトマト、白みそなどの素材がしっかりとして、美味しかったです。

 

 

 

 

 

第2部

◎経済学部OGのお二人と、経済学部事務室の沼井事務長の対談形式で、就活の思い出を伺いました。在学中は短期の海外留学やボランティアを行い、地元企業を軸として就活を行い、京セラに就職。就活中の辛い時期にはお母様が、良いところと悪いところを率直にアドバイスして下さり、また、他に考えていた会社を『そんな会社知らん。』と言われたことに少し傷ついたそうです。もう一人の方は当初、何がしたいか定まっていない中、説明会に通い、自分の人間性を磨いて行ける、金融と決めたそうです。エントリーしてから、1次2次で落ちた時、焦りを感じ、社会から求められていないのではないかと引きこもりそうになった時、お母様から『そんなに頑張らなくてもいいのでは?』と言われ、その安心感で解放されて面接に行き、自分に合う企業に出会うことができたそうです。とても参考になりました。

 

◎最後に経済学部OBの資生堂ジャパン株式会社 内山正信様から「資生堂 入社10年目のキャリア」と題して講演をいただきました。
 学生時代は軽音楽のサークルに没頭していた。就活については、やりたいことの軸が定まらず、情報収集に時間がかかりすぎた。面接が50社を超え、関東への行き来で疲弊し苦戦が続いた中、数をこなすと、ゴールデンウィーク後には2社内定をもらった。しかし、この仕事が本当にしたいのかと悩み、後悔しないために、7月に就活を再開し、ちょうど受付をしていた資生堂に採用された。周到に計画して決まったものではなく、流れの中で決まった。反省点として日本の雇用の仕組みを知らなかったし、自分が当時者でありながら勉強が不足していた。自分が好きなことがコアにあると面接に対する熱意とモチベーションが変わる。自己認識があいまいであった。面接を通過する、内定を得るための就活となっていた。社会人の知人に就業の内容を聞くことができると良い。
 両親との関わりは、離れて生活をしていてもあまり連絡をとることはなかったが、面接に落ちると社会に必要とされていないような気がする辛さに負けて、帰省した時に、親に話を聞いてもらい、気持ちが楽になった。同級生は次々と内定を決めていくので、本音で話せなかった。
 入社後3年間は営業でドラッグストアを回り、非常に熱心な上司に鍛えられた。その後社内応募で商品開発に移動して、マーケティングの世界の奥深さの虜になり、大学の時より勉強をしている。
 現状に不満や後悔は無く、人との出会いに感謝している。大学の時間がある時に、自分は何が好きかを考え抜いて、趣味ではなく、人の役に立つことで苦にならないことを見つけることが、幸せな職業人生を歩んで行ける。

 

数年前に資生堂のCEOが同志社OBに代り、本年度の資生堂の採用コンセプトは“世界を熱く美しく 熱き、変革リーダー求む。となっています。”
化粧品会社の方らしい洗練された雰囲気と、人柄の良さが感じられ、とても希望を感じました。

 

 

※5月28日から全国14か所で、地方父母会が開催されます。是非ともご参加いただきますようお願い申し上げます。

 

 

副会長 山口 寿

お問い合わせ

同志社大学 経済学部父母会

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