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秋の就職説明会レポート
2017年11月9日
2017年10月21日、経済学部父母会行事である就職説明会が開催されましたので、ご紹介いたします。あいにく朝から小雨がぱらつく中ですが、290名のご父母が出席されました。
◆講演1「変わる就職戦線、傾向と対策~子供の就活を見守る上で、知っておきたいこと~」
株式会社リクルートキャリア 就職みらい研究所 所長 岡崎 仁美様
現在、大学生の就活スケジュールは、大学3年後期春休みからの3か月間がクライマックスである。3月1日採用広報解禁になると、会社説明会、資料請求、エントリーシート提出、筆記試験がほぼ同時にスタートする訳で、マルチタスク能力が求められる。PDCAといった試行錯誤の中から学び取るという人にとっては、短い期間に凝縮して就職活動ができるからむしろ良いが、のんびりした人にとっては少し心配である。
採用スケジュールの「ガイドライン」は紳士協定であり法で定めるものではなく、インターンシップで内定も出すところもあり、個人で確り早めに情報収集することも肝要。大学の最後の半年で就職を決めるという学生も22%以上いる。企業もまだ多数募集があるが、夏位には周りの学生が多く決まってきて焦ってしまい、実力を発揮できないというケースもあるので、できるだけピーク時期を逃さないようにとも言える。
就活ガイドライン上は、6月選考活動(面接選考)解禁であるが、3月に半数以上の学生が面接選考を受けるという状況。また、期間が短いので、活動「情報収集」対象を限定的にする「まっしぐら化」が強くなっており、学生の視野が広がりきれない傾向。現実に入社前10日の学生へのアンケートで、もう一度就活したとしたら、内定先と同じ企業に就職をしたいか否かで、否が36.5%を占める。
離職のメカニズムは、新入社員時の自分が役に立っているかという効力感と、適応を促進する行動にあるということが分かってきている。最初が肝心ということであり、就職活動時の社会人としての自覚と、自己理解の促進がいかに大事かということである。
企業の動向としては、金融業は5人に1人という狭き門(但し経済学部は30%弱)で、従業員300人未満の中小企業の求人倍率は6倍超の高水準。尚、2019年卒に対する企業の採用意欲は、すべての従業員規模で「増やす」が「減らす」を上回っており依然旺盛である。インターンシップ実施企業としては、今年度は新卒採用企業の7割が実施予定である。
また、秋冬のインターンシップが増えている。但し、アメリカと違って採用直結型は全体の10%未満。直、大手に関してインターンシップは狭き門で、これに落ちるとエントリーに再チャレンジする学生が少なく、企業としても困ってジレンマという状況。ぜひ、再チャレンジしてほしい。
第四次産業革命では、企業も緩やかに職能型に変わってきており、求められる人材としては、これを遂行できる力のある人となってきている。尚、今の大学生は会社人ではなく社会人になろうとしており、若者が持っている内在的な価値観をどこまで伸ばせるかが企業にとっても求められている。
親にできる支援としては、子供はせっかく決めてきた会社を否定されることが一番辛く、傾聴見守りをお願いしたい。説教ではなく壁打ち相手として接してほしい。
学生が行き詰まったとき、盲点の窓(他己分析)について一番よく知っている家族が伝え支えてやることが重要で、秘密の窓(隠された自己)については決して目を向けないでほしい。
◆講演2「同志社大学の就職状況とキャリア支援」
同志社大学キャリアセンター 柳井 望 所長
2016年度の学部学科・研究科別就職状況、学部進路状況、業種別就職状況、就職者数上位30社(過去10年間)、経済学部就職先企業、出身地・就職先別進路状況(過去4年)について、詳細にご説明いただいた。セミナー講座等への参加がいかに大切かも詳しく分かるお話があった。
また、資料の巻末には、新島 襄先生のお言葉や、同志社大学設立の旨意抜粋もあり、そこで柳井所長は、「同志社大学は就職予備校ではない。充実した学生生活を送り、確固たる人格を確立すれば自ずと道は開ける。その延長線上に就職がある。今は、エネルギーを好きなことに集中してください」とお話しされた。キャリアセンターの活動の一つとして、3月解禁の企業広報は、今出川良心館に企業708社が足を運んでいただいており、京田辺でも486社来てくださった。もう一つは個別相談を12,000件/年、30~40分/人で行っている。ぜひ、ご利用いただきたい。
◆「トークセッション~企業・教員・学生から見た2017年度就職活動~」
オリックス株式会社 大阪人事・総務チーム 高木 知佳様
ゼミ指導教員 大野 隆教授
経済学部4年生 松吉 亜香里さん(オリックス社内定)
高木様は、「オリックスは何の会社ですか」と聞かれたときに、多角的金融サービスと言われる。金融の会社ではあるが、金融の枠組みを超えた様々な事業展開をしている。
設立は1964年東京オリンピックの年、大阪発祥で設立時は13人だったが、現在35,000人弱の企業。創業以来1度も赤字はない。4割が女性でその内3割がワーキングマザー。
【トークセッション抜粋】
松吉さん:大学の合同説明会がきっかけで12月位から自己分析をスタート。解禁前12月頃から始める人が多い。幼い頃からの出来事を時系列に書き出す事からスタート。
しかし、1月エントリーシートが全く書けず自己分析が甘いことが分かり、2月から自己分析に本格取り組み。マインドマップを利用し、自己分析を1,2月に毎日1時間行ない、自由帳2冊にもなった。ここで確り行なっていれば、3月の滑り出しがうまくいくようになる。
大野教授:学生にとって自己分析は非常に重要。実際には内定が出るまでやり続けなければならない。多面的に見る意味でも非常に重要で、ゼミでは教授から各学生に他己分析を伝え、涙する学生もいるとのこと。自、他己分析に正解はないが、そのギャップをどのように埋め合わせできるかのアプローチ方法を見せている。
松吉さん:企業の概要だけでなく社員の雰囲気も重視していた。大学合同説明会には、たくさんの企業が来られて非常に充実していた。私はオリックス生命で働く卒ゼミ生がいてオリックスを知った。
大野教授:卒業生の紹介を頼まれることもあるが、普段からゼミを確りやっていない学生には対応は難しい。ゼミ生には卒業生に電話することを勧めており、コミュ力を磨くことを期待している。内定を取れた学生はゼミに戻っても大人になっており、卒論の内容も確りしたものになってきている。
松吉さん:エントリーシートは教授に見ていただき、父親にも意見を求め、分かりやすい言葉になるようにアドバイスをいただいた。
◆就職体験談
経済学部4年生 平松 雅矢さん
就活では、1~2月に人材系を限定的にやり過ぎて、3~4月に迷走してしまった。
自分が何をやりたいかが明確にならず、自分の伝えたいことがうまく伝えられない等、ご縁が得られなかった。エントリーシートに情報を盛り込み過ぎて、勝手にハードルが上がっていたこともあった。そこで過去分析(価値観抽出)を行ない、未来分析として40、30代、そしてファーストキャリアの自分のあるべき姿を逆算した結果、ここしかないという会社に辿り着いた。
就活で重要なことは、多くの企業や社会人に会うこと、自己分析をして自分が何をしたいかの価値観を持たなければならないこと。
ディベート、ビジネスコンテストで納得いくまで悩み抜き、就活でも自分自身納得がいき、楽しかったと言えるようになった。
◆就職体験談
経済学部4年生 東條 麻依子さん
小さい頃からなりたかった夢がアナウンサーで、2年生でバイト代を貯めてアナウンサースクールに通った。3年生春には、自、他己分析を始め、夏休みにテレビ局のインターンシップが始まり9月から本採用が始まった。全国各局を受け失敗を繰り返した為、スクールの先生に相談もした。4年生5月に内定が決まったが、ありのままの自分を面接で出せるようになったからである。面接時は、学生時代頑張ったことをよく聞かれる。私が本当に頑張ったのは経済学部でのゼミ活動。その一環として、ディベートや論文大会に出たことを面接官に熱く語り、自分の内面的なことも見せることができた。
メディアと経済は繋がってないようだが、学生時代頑張ったこととして、私は全て経済学部の話をしたことは良かったと思う。家族に対しては、金銭的にサポートしてくれたことに感謝している。
最後になりましたが、ご参加いただきましたご父母の皆様、先生方、ご協力頂きました事務室事務局の皆様に感謝を申し上げます。
副会長 伊藤碧梨
お問い合わせ
同志社大学 経済学部父母会
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