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教育講演会レポート
2018年3月20日
例年以上に長かった冬も終わりを告げ、今出川キャンパスにも春の訪れを予感させる一日。そんな2月24日土曜日に教育講演会が開催されましたのでご報告します。
◆講演1「歴史にみるフランスのブランド『バカラ』が愛され続ける秘訣」
大阪学院大学経営学部ホスピタリティ経営学科 准教授 稲田 賢次様
フランスのラグジュアリーブランドの1つであるバカラが、3世紀にわたる長い歴史の中で、高級クリスタルガラスの代名詞として世界的に認知されている。
バカラ独自の発展についてブランド論を通じて歴史的に考察することで、バカラが愛され続けてきた秘訣に迫る。というテーマでご講演いただきました。
バカラは、その売上げの約3割を日本人が占めており、ギフトとして優れたブランドである。
バカラの起源は、1764年、フランスのバカラ村にルイ15世の認可を受けて、サント=アンヌガラス工場が設立されたことに始まり、その後1816年、ルイ18世より免税措置を与えられてクリスタル工場として「バカラ社」が創立された。
バカラの名声は時の王侯貴族に愛され、そのつながりから世界中へ親善大使の役割を果たして広まっていった。
バカラは最高級の品質と技術を保持し、MOF(フランス最優秀職人)の称号を持つ職人を56人輩出している。そのため品質チェックも厳格で、最終的に商品となる前に4割が廃棄される。
バカラを象徴するカラーは「赤」であるが、これは「ル・サージュ・ア・ロー」24金を用いて赤色化する技術がとても難しく、1847年以降門外不出の技術として守られている事が理由と考えられる。
バカラの製品開発コンセプトは、「ルーツのあるモダニティ」伝統を大事にしつつ、近代的な表現を訴求することがバカラの伝えたい価値である。それを実現するためには、内部だけでなく積極的に外部からもデザイナーを迎え入れている。
バカラブランドの拡張は、テーブルウェアの他、ビジューや香水瓶など多様に拡がっており、東京と大阪に「B bar」というバカラを使ったバーや、ニューヨークには「バカラホテル&レジデンス」なども開業し、バカラの文化的世界観を表現している。
バカラが愛され続ける理由は、王侯貴族に愛されたことによる「名声、威信」と暮らしを彩る芸術「生活美学」が合わさって、現在の最高級のラグジュアリーブランドとしての価値が生み出されていると考えられる。
◆講演2「元都市銀行頭取秘書・外見のコンサルタントが伝える『印象アップの秘訣』
~自分を知って、人から望まれる存在になる方法~」
株式会社アメリティアラ代表取締役 吉原 美鈴 様
印象アップを自分で意識して生きると長生きに繋がる、また人生の質を上げるというテーマでお話しいただきました。
第一印象は3~5秒で決まる。人は見た目が9割と言われる理由は?
メラビアンの法則
・視覚情報 55%・・・表情、身だしなみ、服装、視線、しぐさ
・聴覚情報 38%・・・声質、声の大きさ
・言語情報 7%・・・話の内容
自分の個性・特徴を知り、活かすことが大切
印象を決めるポイントは?
・色・・・肌、髪、血色 自分のパーソナルカラー
・質感・・肌、髪のツヤ、弾力、目の輝き
・形・・・輪郭、背の高さ、目・口の形、骨格、プロポーション
自分の立ち居振る舞い、外見や言葉から醸し出すイメージを知る事が大事
チェックポイント
・上品に見える・堂々として見える・落ち着きがある・言葉に説得力や重みがある、自分の軸がしっかりしてみえる
・誠実で穏やかにみえる
人が望む存在とは、必要とされる人、人に喜ばれる存在、人とのご縁を大切に思える人、感謝できる人、今を大事に生きている人など
人は助け合い、協力し合って生きているので、その循環を俯瞰してみたとき、自分の役割や使命を感じて理解していくと、求められる存在になり、自分の在り方が見えてくる。
我々はストレス社会に生きているため身体が酸素不足に陥っている。
酸素不足になる事で印象に影響を与えている。緊張しやすい、頭痛が起こる、表情が凝り固まっている、肌にトラブルが起こりやすい、疲れやすい、イライラするなど
酸素不足を解消するためには、鼻呼吸が重要である。鼻呼吸をすることで脳下垂体を刺激し、心の安定を高めたり免疫力を高めたりすることができる。また、空気が通る上気道で一酸化窒素が作られ、体内で産み出される一酸化窒素は生理活性作用を高める働きがある。
最後に自分を信じられる行動をする。自分のストーリーを大事にする。素直な心を大事にする。人生をワクワク楽しみ感動することが大切。選択の時には答えが愛か不安か考えてみる。嫌なことがあったとしてもそのあとに訪れる喜びを倍増させるために。
◆講演3「日本航空の今とこれから ~日本航空のHR戦略~」
日本航空株式会社 人財本部 人事部採用グループ長 伊勢谷 光彦様
2010年1月に経営破綻した日本航空が経営破綻を通じて何を学び、何を大事にして事業運営を行い、現在の世界でトップクラスの高収益エアラインへ生まれ変わる事ができたのかをお話しいただきました。
経営破綻に至った理由は、高コスト体質、採算意識の不足、親方日の丸体質、他人任せの考え方など社員の考え方に問題があった。
京セラの稲盛和夫氏が日本航空の会長に就任し、日本航空の社員には「誠実であること・謙虚であること・常に自分を省みること」が足りないと社員の意識改革に取り組んだ。
2011年に企業理念を実現するため、JALのサービスや商品に携わる全員が持つべき意識・価値観・考え方として40項目の「JALフィロソフィ」を策定。
「JALフィロソフィ」
第1章 成功方程式(人生・仕事の方程式)
人生・仕事の結果=能力(0~100点)×熱意(0~100点)×考え方(-100~+100点)
能力は生まれながらにその人が持っているものだが、熱意は自分で決められる。それに正しい事をする考え方・意識・価値観(JALフィロソフィ)により結果はマイナスにもプラスにもなる。
日本航空の企業理念は、
「JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、
お客さまに最高のサービスを提供します。
企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。」であるが、お客さまへのサービスや社会貢献よりも前に社員の幸福が一番最初にある。これは一人ひとりの社員がイキイキと仕事を行う環境がなければ良いお客さまサービスの提供はできないとの考えによるもの。
リーダーとは調整役でなく、成果目標を達成するため組織を率いることができる人である。具体的には、物事を決める事ができる人であり、変化に対応する事ができる人ではなく変化を起こす事ができる人である。
リーダーシップは全員に必要である。リーダーシップを備えている人とは、自分の主張を押し通そうとする強引な人ではなく、チームの使命を達成するために必要なことを自らやる人である。
リーダーの資質とは、「知識・見識・胆識」の三識を持つ人である。知識を信念にまで高めたものが見識であり、組織を導く統率力、決断力、実行力が胆識である。
JALグループが求める人材像は、JALグループ企業理念の実現に向け、JALフィロソフィを体得・体現すべく努力し、グループ全社員一丸となってJALの翼を支える仕事に、喜びと使命感を持てる人材である。
特に感謝の気持ちを常に持ち、世の中のすべてから謙虚に学び、自己成長できる人材である。
最後に、お忙しい中、足をお運びいただいたご父母の皆様、ご講演いただいた講師の皆さま、先生方、ご準備いただいた事務局の皆様に感謝申し上げます。
父母会副会長 松本 直
お問い合わせ
同志社大学 経済学部父母会
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